まちの話題

松前神楽が新たに国の重要無形民俗文化財に指定されました!

2018年3月8日

 松前神楽は、平成30年3月8日付け官報第7218号の文部科学省告示第43号により、国の重要無形民俗文化財に指定されました。指定団体は、北海道松前神楽連合保存会・松前神楽函館連合保存会・松前神楽小樽ブロック保存会・福島町松前神楽保存会そして、松前神楽松前ブロック保存会の5団体が指定となり、同日、東京で交付式がありました。

 松前神楽の起源は明らかではありませんが、『新羅之記録(しんらのきろく)』によれば、寛永(かんえい)2年(1625)に、福山八幡宮の神楽堂を修造したという記録があり、この当時から神楽が行われていたとみられています。また、『福山秘府年暦部(ふくやまひふねんれきぶ)』によれば、福山城の槍ノ間(やりのま)で延宝(えんぽう)2年(1674)に初めて湯立神楽(ゆたてかぐら)が行われたとあり、元禄(げんろく)11年(1698)正月、獅子神楽(ししかぐら)が行われたと記されています。
 湯立神楽は、隔年の11月15日に行われ、幕末まで続きました。また、獅子神楽は、『白鳥氏日記(しらとりしにっき)』によれば、毎年正月12日に城内大広間で行われ、翌13日から21日までの間、寺町や城下の門祓いを行い、21日には獅子頭を熊野社(くまのしゃ)に送り届けたと記されています。
 松前神楽は、もと城内で城下を中心に広まりますが、近世末から近代になり、多くの漁民が鯡を追って日本海沿岸を北上するにともない、さらに広い範囲で行われるようになりました。現在、渡島・檜山・後志そして留萌地方にも伝承され、各地の120に及ぶ神社で、例祭等に演じられています。
 松前神楽の演目は、初期より採物(とりもの)舞・巫女(みこ)舞・湯立神事・獅子舞・翁(おきな)舞が演じられ、演目の多くは今日まで継承されています。
神楽は、一間四方の中で舞うものとされ、舞と楽器演奏とで構成されます。楽器は、大小の締太鼓と龍笛(りゅうてき)、手平鉦(てひらかね)で、一人の演奏者が大小の太鼓をたたく場合があり、龍笛は指穴の一つを紙などでふさぎ、六穴にして吹きます。
 なお、松前神楽は、東北地方との関連をうかがわせる演目や、演じ方が見受けられます。
ページの先頭へ戻る