松尾芭蕉『奥の細道』より
かねて耳驚かしたる二堂開帳す
経堂は三将の像をのこし
光堂は三代の棺を納め
三尊の仏を安置す
七寳散りうせて珠の扉かぜにやぶれ
金の柱霜雪に朽ち
既に頽廃空虚の叢と成るべきを
四面新にかこみて
甍を覆ひて風雪を凌ぎ
暫時千歳の記念とはなれり
五月雨の 振りのこしてや
金堂
経堂は三将の像をのこし
光堂は三代の棺を納め
三尊の仏を安置す
七寳散りうせて珠の扉かぜにやぶれ
金の柱霜雪に朽ち
既に頽廃空虚の叢と成るべきを
四面新にかこみて
甍を覆ひて風雪を凌ぎ
暫時千歳の記念とはなれり
五月雨の 振りのこしてや
金堂
この碑は、松尾芭蕉の「奥の細道」の一節、岩手県平泉中尊寺の金色堂について述べているものです。
芭蕉が平泉を訪ね、奥州藤原文化の衰え、廃れたのをまのあたりにし、感慨を強くしたことを表していると思います。
そして、五月雨の降る中、辺り一面は暗く光堂だけは明るく輝いており、昔の優雅さをとどめている。そういった清冽な美しさを鴎亭先生は表現しています。
(注1)三将…藤原清衡(きよひら)・基衡(もとひら)・秀衡(ひでひら)
(注2)頽廃空虚…おとろえすたれてむなしい
(注3)叢…くさむら
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