宗円寺旧蔵 羅漢像
紹介文
羅漢とはサンスクリット語のアルハットの音訳阿羅漢を略したもので、悟りを開いた西條の仏教修行者の意で、仏教の儲の施しを受ける価値のある者をさすといわれている。中国・日本では十六羅漢(仏法を守護する16人の尊者)、五百羅漢(500人の釈迦の弟子)として広く信仰されている。宗円寺は寛永7年(1630)、7世公廣によって父・盛廣の追善供養のために法幢寺の北側に創建された寺院である。本尊はじめ、五百羅漢の寺院として信仰されていたが、明治維新後経営困難に陥り、小樽在住の松前出身者の尽力によって明治42年に建物は解体され、建築資材及び仏像などが現在地に移された。
五百羅漢は昭和41年小樽市の有形文化財に指定されているが、この2躯の羅漢像は何故か小樽へは運ばれず法隆寺に安置され、現在に至る。
若貌の像は江戸時代前期の作で作者不詳であるが、老貌について江戸時代後期、松前の仏師藤原暉常の作と推定されている。