難船図絵馬
紹介文
江戸時代の船の航海は常に危険が伴うものであった。難船図絵馬は、松前城下の豪商、「//」(イチゼンバシ)恵比寿屋岡田家の手船「叶丸」の船頭「佐々木多六」によって、慶応3年(1867)4月に奉納されたものである。絵馬の作者は、大坂の絵馬師「吉川芦舟」である。絵の内容は、船が荒波にもまれ、帆をおろし、今まさに転覆寸前という危機的状況の中で、瑞雲に乗った神が「御幣」に姿かたちを変えて助けに現れるという場面が描かれている。
なお、青森県深浦町の円覚寺には、渡海神社のものと同じ寸法・構図で、奉納者・製作者・時代も同一の絵馬が奉納されている。