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松前神楽

指定 国指定
区分 重要無形民俗文化財
指定年月日 平成30年(2018)3月8日
所在地 松前町を含む北海道日本海沿岸地域、道南地域

紹介文

松前神楽の起源は諸説あり定かではない。松前家の正史である『新羅之記録』によれば、寛永2年(1625)、それまで大館にあった八幡宮を福山に遷宮した時に、これに合わせて御宝殿、拝殿、神楽屋修造の記事が見えている。「神楽屋」で奏上された神楽が、現在伝えられている松前神楽であるかどうかは分からないが、この時代にすでに松前藩領内で神楽が行われていたことは確かである。『福山秘府』によれば、延宝2年(1674)、松前藩主10世矩廣公の時代、福山城内で初めて藩の公式行事として鎭釜湯立神楽が奏上されている。以来、隔年ごとに城内槍之間において、松前藩主の手厚い庇護のもとに、神楽が行われている。延宝9年(1681)制定された『御城内大神事』によれば「御祈祷」に始まる23事の神事と舞がこのころに成立していたことが分かる。
その後、神楽式はさらに整えられ、現在では12事の神事と21事の舞楽によって構成されている。松前神楽は、松前藩領内の各社家により世襲的に古来の伝統を厳格忠実に守り、格調高い神事芸能へと発展していった。 一方、松前神楽は庶民にも大きく支えられていた。人々は自家の利益のために、例えばニシン場神楽、鮭場豊漁神楽、会場安全神楽、手船新造神楽、火災消滅神楽、疱瘡安全神楽などのように、家内・道中安全、豊漁祈願、疫病退散などを願い、様々な機会をとらえ神楽祈祷が行われていた。 明治にいたり松前藩の庇護が失われると、松前神楽を伝承してきた社家は氏子の人々との結び付きをさらに深め、今日まで神楽を保存伝承してきたのである。加えて、幕藩体制の束縛から解き放された人々は、豊かな漁業資源を求めて北海道各地へと移住していった。そうした人々は、厳しく過酷な生活環境の中で、安らぎと娯楽を求めて幼い頃から親しんできた松前神楽をその地に根付かせたのである。
明治以来、今日に至るまで松前神楽は渡島・後志地方を中心に日本海沿岸各地で見ることができる。しかし時間の経過とともに松前神楽にも微妙な地域差が生じてきたのも事実である。現在では、松前、福島、函館、小樽の四地域にブロック保存会が結成され、それぞれの伝統を尊重して保存伝承に励んでいる。

上演場所

北海道各地の神楽を伝承する神社の祭礼、地域のイベント会場など(開催時期は各地域ごとに異なる)
松前町では、毎年4月29日に松前公園本丸広場にて「松前神楽公開公演」を開催。

写真


獅子舞
門祓い(清部神楽保存会)

公演等に関するお問い合わせ

松前町教育委員会(松前神楽北海道連合保存会 事務局)

〒049-1513 北海道松前郡松前町字神明30番地
TEL:0139-42-3060(土日祝除く8:45~17:30)
FAX:0139-42-2211



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