木造 日蓮聖人坐像
紹介文
日蓮聖人坐像は、高さ35.9cm、幅53.8cm、桧材の胡粉彩色仕上げで、右手に笏、左手に経巻を握り、衣、袈裟を纏って座る「説法の姿」である。肖像としては極めて小さいものであるが、目は大きく見開き、胸を張り姿勢のよく整った坐像である。蔵の底の後方にはほぞ穴があり、その奥に墨書銘がある。
同寺に保存されている『願満宗祖大師送状』によれば、像は鎌倉時代の元弘元年(1331)日蓮の孫弟子・日像の作で、坂東彦三郎らの尽力によって摂州(現在の大阪府)島上郡梶原村に、享保20年(1735)、正覚寺が建立され、この像を安置したといわれる。
法華寺は、明治5年焼失したため、28世住職貫名日軌は、前述梶原村の安穏寺住職で師にあたる金子日尹に像の依頼をしたところ、日尹は、廃寺となっていた正覚寺の像を斡旋し、明治19年6月13日法華寺に安置されたという。
なお、現在の法華寺は、明治20年に再建されたものである。